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新年のご挨拶

 1日は連れの実家の方へ挨拶に行ったので、2日は私の実家と、親戚の家へ。
 3が日のどこになるかは毎年決まっているわけではないけれど、一応、どこかで親戚で集まろうという感じになっているのだ。

 昼過ぎに私の家に寄って、その後親戚の家へ。

 里帰りしていた従兄弟の一家と伯父が既に伯父の家に来ていた。その後、伯母や他の従兄弟達の家族も集まってきた。
 大人が16人に子供が8人の総勢24名だっただろうか。随分人数も増えたものだ。
 受け入れる方もさぞ大変だったろうと思う。本当に毎年ありがたい事だと思う。

 人数が揃い、夕方になったところでマイクロバスに乗って食事に出かけた。
 中華料理の店だ。昔はフレンチの店だったらしい。そう言われるとそうだったかもしれないと思う。入り口前の螺旋階段と、鉄製の手すりに何となく覚えがあったから。

 個室と言うか、大部屋に通された。

 家族毎に座ることを想定しているのか、普通の椅子の間の所々に子供用の椅子が置かれていた。

 「うーん、子供らは子供らで集まりたいよね」
 子供用の椅子とテーブルセットを移動させて、子供とお母さんの席を決める。

 「あ、お酒飲む人いる? そっちの方へ座って」
 と、お酒を飲む人がテーブルの端へ集められる。

 全員の席が決まったところで、飲み物の注文を取る。

 「ジュース飲む人ー?」
 特におらず。

 「烏龍茶が良い人ー?」
 圧倒的多数。

 「じゃ、ビールが良い人ー?」
 5名手を挙げる。

 「他、何かある?」
 「あ、子供にお水を」
 お冷や、1名。

 オーダーが終わり、伯父が挨拶をしてくれる。昨年結婚したので、我々夫婦のことも紹介してくれた。

 その後、続々と飲み物が運ばれてきて、乾杯となった。

 「私、ビール飲まないし」
 「子供がいるので乾杯だけで…」
 皆がこちらのテーブルにビール瓶を回してくる。
 6本の瓶が目の前に並んだ。乾杯の時に既に空になったボトルを除いて。

 子連れなのでビールを飲むのは乾杯だけ、という人を除くと、実際にお酒を飲むのはNさん、Kさん、私の連れの3名だけである。

 「何でこんなことになるん」
 「いや、昔のほうがむしろこんなことにはならなかった。お酒を頼む人がいなかったから」
 「我々余所者だけが飲むということですね」
 連れがNさん達に言う。
 「そもそも店員がおかしいよな。何で数を聞いておきながら全部のテーブルに行き渡るだけのビールを持ってくるねん」

 Nさんが、平日に休暇を取って、子供に学校を休ませて遊びに行きたいと言っていた。土日は混むし、時間がかかって泊りがけで行かないといけなくなる。平日なら空いているし、値段も安いし、1日で充分遊べるだろうというのだ。
 「うーんでも、子供が学校でそれ言ったらアウトですよ」
 そういう風に考える人もいるのか、でも学校では通用しないだろう、それは。私はそう思った。
 「非常に物議をかもし出す話ですね。そもそも嘘をついて休ませて遊ぶのが道義的に良いかどうかって話ですよ」
 Kさんはそういうのはダメだと考えるようだ。社会のルール通りに平日に学校に行かせ、土日に遊びに行かせるなり連れて行くなりするのが道理だと。非常に真面目な堅物のようだ。
 「でも毎日学校に行っていて、1日ぐらい休んだってどうなるって思うんですよね」
 Nさんの方は、1日休んだぐらいでドロップアウトしてしまう物でなし、それよりゆったり家族で団欒できる時間を作りたいようだ。

 実際私が親になってみた場合、おそらく家族で出かけるために夫婦で年休の日にちを合わせて取って、学校に「今日はちょっと熱が…」と言って休ませて、さあ遊びに行こう! というのはとてもできないなぁ。自分はできないけれども、なかなか家族と時間を持てない人からすれば、無茶してでも家族で遊ぶ時間が欲しいものなのだろうか。
 実際、土日がかき入れ時で休みが取れない、平日に休日を取る、と言う職業の夫婦の場合、子連れで遊びに行こうと思った場合はどうするものなのだろう。例えば、月曜日が定休の美容師の夫婦がいたとして、月曜日に子供を休ませて遊びに行くものなのだろうか。何とか土日に休みを作って遊びに行くものなのだろうか。

 なかなか興味深い話題だった。

 「ちょっとトイレ」
 そう言って連れが席を立とうとしたが、なかなか上手く立てないようだった。
 ようやく立って行った後、椅子を見ると妙に浮いている。どうやら椅子の足が連れの鞄をかんでいたようだった。これに気付かないまま立とうとしたので上手く椅子が引けなかったのだな。

 トイレから帰って早々、
 「何か増えてない?」
と、ビールグラスを見て言った。
 「ううん、増えてないよ」
 「一緒ですよ一緒。ほらほらほら」
 Nさんが自分のグラスに注がれたビールを見せて言った。

 しばらく後、トイレに立ったNさんと伯父が、間仕切りのガラス戸の向こうから手を振ったりこちらにカメラを向けてシャッターを切ったりしていた。
 「完全に酔っ払いの行動やな」
 「そうですね。でも片方は確実に酔ってないはずですよ」
 「隣の部屋の人、迷惑やろうなぁ」
 間仕切りのすぐそばのテーブルにいた我々はそれを見て話していた。

 あんかけ炒飯が出され、ビール瓶も全て片付いた。もちろん、3人の胃袋の中に。
 「折角中華の店に来ておいて、ビールだけっていうのも寂しいよね」
 Nさんの提案で、紹興酒を飲むことになったようだ。

 やがて運ばれてくる紹興酒。
 「グラスは3つでよろしいですか」
 「ハイ」
 銘々の前に置かれる小さなグラス。
 そして置かれる紹興酒。

 ドン。

 「……」

 普通、紹興酒を店で頼むと、小さい陶器の瓶などに入ったのが出されるものだと思っていたのだが。

 「600mlの瓶で来たね」
 「1人200mlな」

 見かねたのか、飲める人が少し飲んでくれると申し出てくれた。

 「よし、1人125mlだ」

 「大丈夫?」
 連れに聞いてみた。
 「大丈夫。自分の意思で飲んでるから。ワイン20杯飲んだ時ほど酷くないよ。甘くて飲みやすいし」

 宴会が終わって、再びマイクロバスに乗って帰路に着いた。
 伯父の家で一服した後、帰宅時間も迫ったので車に乗った。

 以前、連れが飲んだ後に少し寝たら起きられなかったのでそのままタクシーで帰ったと言っていたので、大丈夫かどうか聞いてみた。途中で降ろしてもらって電車で帰宅する予定だったのだ。

 「なんならこのままうちに泊まっていく?」
と聞く母に連れは
 「いや、ちょっとそれは…」
と答えていた。
 「でもなんか寝そう」
 「こう、カーブのところで意識が上の方へ行くんです」

 話しているうちに、連れは目を閉じたまま眠ってしまったようだ。

 「新居まで送ろうか? どうせ慣れた道だし」
 運転しながら母は言ってくれた。
 「う、ごめん。でも一応、駅まで行って起こしてみよう」
 そのまま高速を走り、降りて、駅へ向かった。

 「起きれる?」
 「うん…」
 「起きれる?」
 「分かってるけどさ…」
 「分かってるけど、何」
 「電車まだやろ…」
 「いや、今駅に着いた」
 「え!? うそ」

 そう言ったまま、連れは再びシートに沈み込んでしまった。

 「ごめん。やっぱりお願いしても良い?」
 「分かった」

 再び車は走り出した。

 「おっさん何しに来たんやって顔してたな」
 駅前のバス停に立っていた人のことを言ったようだ。

 そのうち、ずー、ずー、というのが聞こえてきた。
 「いびきかきだしたね」
 「うん」
 霧の出始めた夜道を走った。前の車が酔っているのか、はたまた居眠り運転なのか、揺らぎながら走っていたので、車間距離をかなり取りながら。

 しばらく走って、新居に着いた。
 鍵を開けに行っている間に兄に連れを起こしてもらい、上がってもらった。
 すぐに布団を敷いて、連れを寝かせた。

 折角送ってもらったので、インスタントだけれどコーヒーを入れて2人に出した。と言うより、実際にはお湯を火にかけて、火見といてね、と言って布団を敷きに行っていたので、殆ど母に自分でやってもらっていたようなものだけれど。
 「思いがけずお宅訪問したわ」
 新居に来たことの無い兄が言った。私も少しだけだけれど遊びに来てもらえて良かった。

 今度のことで、連れは私の母に頭が上がらなくなったのではなかろうか。
 家では連れのことを何と言っているのだろう。
by die-Abdiel | 2007-01-02 23:11 | 日記

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